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vol.31 粗利益の定義を理解すること
昨日は第13期の法人保険営業研修(基礎編)の第1回目でした。
第1回目と2回目は決算書についての理解を深める時間です。
その中で参加者の方から下記についてご質問がありました。せっかくの機会ですし、皆様にも知ってもらいたい内容ですので、ブログに書かせていただきました。(ご質問いただいた方、ありがとうございます)
■売上総利益=粗利益
損益計算書は企業(個人事業主も)の1年間の業績を示したものですが、その中に
【売上総利益】という項目が登場します。
経営者の方は、あまり売上総利益という言葉は使わず【粗利益(あらりえき)】という言葉を使いますね。
損益計算書を理解する上で、この粗利益について正確な理解をすることがとても重要です。
■粗利益の定義を理解する
粗利益は売上高から売上原価を引くことで計算されます。売上原価はここでは【仕入】と考えて下さい。
例えば八百屋さんをイメージすると
野菜の仕入れ200円=売上原価
野菜の売上高400円=売上高
の場合、粗利益=400円-200円と計算されるわけです。
では、この200円は何を意味するのでしょうか??
単純に売上から売上原価を引いたものという説明では不十分ですし、定義を理解していることになりません。何を表しているのかという理解が必要です。
■粗利益は企業が提供する付加価値を表す
簿記を勉強している方や決算書について少しでも勉強した事がある方であれば、下記の図の左側についてはすぐ理解できると思います。100万円の売上高が発生して、それに対して原価が15万円かかったので、粗利益が85万円残ったという構造です。
しかし重要なのは右側の考え方です。
原価15万円に対して、85万円の付加価値をつけて、100万円で販売したという事です。
ビジネスの順番を考えるときに、原価が先に発生するはずです。(原価が発生しないビジネスもあります)
それに対して、付加価値をいくらつけるのかを考えて、売上高を決めます(値決めします)。
「値決めは経営である」という松下幸之助の有名な言葉がありますが、まさにこれが経営だと思います。
そして付加価値を提供する為に必要な投資が「販売費及び一般管理費」という事です。
例えば上記の例では85万円の付加価値を生み出しているわけですが、その為に人財費にいくら投資するのか?広告費にいくら投資するのか?などを考えていくわけです。その結果が【営業利益】として見える化されるわけですね。
■企業が提供している付加価値が何かを理解する事
粗利益は付加価値であるという事を説明してきたわけですが、更に深掘りすると、企業の提供する付加価値が何なのか?という事を理解する必要があります。これは改めてブログに詳細を書きますが、少しだけ説明します。
例えば皆様ご存じのウーバーイーツについて考えてみましょう。
ウーバーイーツの提供する価値は何でしょうか??
ウーバーイーツが提供しているのは「食」ですが、更に自分が準備しなくても、そして外に出なくても、周辺にある飲食店が提供しているものが自分の家や会社等にに届くという事がウーバーイーツが提供する価値ですね。
上記の価値を、マーケティング用語で基本的価値といいます。
更に理解を深めるためには情緒的価値の理解が必要になりますが、これについてはまた後日説明いたしますね。
粗利益は、企業が提供している付加価値である
これが理解できれば、きっと損益計算書の見方が変わるはずです。
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