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2026.02.24

MVVを作っても浸透しない理由:Whyを5回掘ると何が変わるのかーHELLO経営通信

こんにちは。
株式会社HELLO base代表取締役 渡邉一史(わたなべひとし)です。

今年も残すところわずかとなり、街中にも年末の慌ただしさが感じられる頃となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

立春を迎え、街中にも穏やかな日差しと清々しい空気が広がる頃となりました。
お変わりなくお過ごしでしょうか。

このブログでは経営に必要な知識を体系的・実践的に学べる“経営の教養講座”として、
毎回ひとつのテーマを掘り下げてお伝えしています。

(※前提:Vision=実現したい未来/Mission=その未来のために何をするのか(使命))

MVV(Mission・Vision・Values)を作ったのに、現場が変わらない。
ポスターは貼ってあるのに、重要な意思決定は相変わらず社長の頭の中。

これは珍しくありません。むしろ、MVV策定を一度でもやった会社ほど、同じ壁にぶつかります。

MVVが浸透しない最大の理由は、言葉が“かっこいい”けれど“使えない”状態になっているからです。
そして、使える言葉に変える鍵が「Whyの5回掘り」です。


まず定義を揃える:
VisionとMissionがズレると、運用が止まる

今回の前提を明確にします。

▶ Vision:実現したい未来(10年後の景色)
「世の中・業界・顧客・社員が、どうなっていたら最高か?」

▶ Mission:その未来のために、私たちは何をするのか(使命)
「その未来に近づくために、私たちは日々、何を提供し、何を実行するのか?」

ここが曖昧だと、MVVは一気に“飾り”になります。
なぜなら、現場が必要としているのは「感動する言葉」ではなく、迷いを減らす言葉だからです。


MVVは“理念”ではなく“経営の道具”

MVVの価値は「浸透した」ことではありません。
判断に使えたかどうかです。

例えば、MVVが以下に使えているか。

・何をやる/やらないを決める(優先順位が揃う)

・採用と評価の基準になる(文化が揃う)

・顧客への約束が揃う(提供価値が揃う)

この3つに刺さらないなら、MVVは社内で“読み物”になって終わります。

なぜ浸透しないのか:
よくある3つのズレ

浸透しない会社には、だいたい共通点があります。

1)抽象度が高すぎて、行動に落ちない
「挑戦」「誠実」「プロフェッショナル」
良い言葉ですが、明日何をすればいいかが分からない。

2)“社長の言葉”で、みんなの言葉になっていない
社員は暗唱できても、腹落ちしていない。
“自分の体験”につながっていないから、現場で使われない。

3)会議・採用・評価と接続していない
浸透は、伝達量ではなく接続回数で決まります。
社内報で100回説明するより、会議で3回使われた方が浸透します。

Whyの5回掘り:
綺麗ごとを越えて「体験」に触れる

やり方はシンプルです。
「なぜ、それをやるのか?」を5回、具体に寄せながら掘る。

例:
Q1 なぜこの事業をやる? → 地域の中小企業を元気にしたい

Q2 なぜ元気にしたい? → 良い商品が埋もれてしまうのが悔しい

Q3 なぜ悔しい? → 自分の家業が同じ理由で苦しんだから

Q4 なぜそれが大事? → 努力が報われる仕組みを増やしたい

Q5 なぜ今の自分がやる? → その橋渡しができる経験と責任があると思う

ここで出てくるのは、整った言葉より体験です。
体験に根差した言葉は、温度があり、他者にも伝染します。

そして重要なのは、5回掘ると「理念」が出るのではなく、使命(Mission)の芯が出てくることです。
つまり、「未来(Vision)のために、私たちは何をするのか?」が具体になってきます。

5回掘った後にやるべき「翻訳」:
Vision→Mission→Valuesの順で整える

Whyを掘ったら、そのままMVVに“翻訳”します。
コツは「一文で言えるか」「判断に使えるか」。

▶ Vision(未来)
10年後、誰がどうなっている状態を実現したいか

例:「地域の中小企業が、“良いもの”で正当に評価される市場をつくる」

▶ Mission(使命:その未来のために何をするか)
未来に近づくための“日々の役割”

例:「埋もれている価値を見つけ、磨き、届く形にして市場へつなぐ」

ここでMissionが抽象になると、現場は動きません。
Missionは「やること」が見える文章にするのがポイントです。
(誰に/何を/どうやって、が最低限入ると強いです)

▶ Values(行動原則)
Valuesは“名詞”より“動詞”が圧倒的に運用されます。

×「挑戦」→ ○「失敗を共有し、次の仮説を48時間以内に試す」

×「誠実」→ ○「できないことは先に伝え、代案を出す」

×「顧客志向」→ ○「提案は“相手の意思決定”が進む形に整える」

Valuesは多すぎると運用できません。3〜5個が現実的です。


MVVが“効く瞬間”を先に設計する

浸透するMVVは、現場の具体シーンで使われます。
だから、「使う場面」を先に決めるのが最短です。

・値上げの判断:その価格はVisionに近づく投資か?Missionに沿う提供か?

・採用の判断:Valuesに合わない人は、スキルが高くても採らない

・クレーム対応:Valuesに沿う最優先行動は何か

・新規事業:Visionに近づく挑戦か、単なる売上補填か

「この判断はVisionに近づくか?」「Missionとして正しいか?」が問いになった時点で、MVVは“飾り”から“武器”になります。


浸透させる最短ルート:3つの接続点

会議:重要判断の前に「Vision的にどうか?Missionに沿っているか?」を必ず問う

採用:面接質問をValuesに紐づけ、具体行動を聞く

評価:成果だけでなく、Values行動を評価項目に入れる

浸透とは、例外を減らすことでもあります。
「あの人は数字を作るからOK」を許すと、MVVは崩れます。

まとめ:
Visionは旗。Missionは前進。Whyは燃料。

Vision(未来)があると、向かう方向が揃う

Mission(使命:何をするか)があると、日々の行動が揃う

Whyの5回掘りをすると、言葉が“体験”に根を張り、使える言葉になる

社長の頭の中にあった判断軸を、組織の共有資産にする。
その最短ルートが、
「Whyを掘って、Vision→Mission→Valuesに翻訳し、会議・採用・評価に接続する」ことです。

今日の幹部会で、まずこれだけでも十分です。
「この施策は、Visionに近づく?」
「Missionとして正しい?」
問いが増えた瞬間、MVVは動き出します。

次号は「中小企業は高速PDCAを回せ」についてお届けします。
楽しみにしていてください!

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